「栗八」赤上り薬壺（天平～平安時代）

「赤上り薬壺（天平～平安時代）」です。

底に人為的な小穴が穿たれてありますので、

蔵骨器として埋納され、掘り出されたものでしょう。

発掘されてからの歳月を感じさせますので

古くに発掘され、大切に守り伝えられてきたものかも知れません。

発掘場所等の詳細は不明で惜しまれますが

薬壺（やっこ）に納められ、埋納されるほどの

高位の人物であったことはうかがえます。

薬壺は須恵質で黒色の肌が常ですが

出品の薬壺は赤味の強い土肌の、いわゆる『赤上りの須恵」です。

東海猿投系古窯の前身に見られる、

赤上りの須恵と肌の質感に共通性が見られますので、

同地域で焼かれた薬壺と推測されます。

本来は、肩には自然釉のかかっていた痕がありますが

現在はほとんどが剥落し、薄灰の素地を見せています。

後世の補修は無く、掘り出した当初の姿を留めています。

どうか、よろしくお願いいたします。

注（１）：古い外箱の下に、壺に敷く台が収めてあったと思われる

　　痕はありますが、現在台は失われています。ご了承ください。

注（２）：天平～平安初期に蔵骨器（骨壺）として使われたものです。

　　気にされる方は入札を控えてください。

●送料は負担させていただきます。お支払いは落札価格のみで結構です。