NM LP●John Coltrane / Giant Steps●ジョン・コルトレーン 名盤 '75 USプレス SD 1311●Hard Bop 名演 シュリンク

レーベル：Atlantic
品番：SD 1311（PR - Presswell Pressing）
フォーマット：LP, Reissue, Stereo
国：US
リリース年：1975
タグ：Jazz, Hard Bop, 1960s Classics, Modal Complexity, Studio Work, Atlantic Sound

その一歩は、ジャズの歴史にとっても、大きすぎるほどだった。
"Giant Steps"──ジョン・コルトレーンが1960年に残したこの記録は、単なるアルバムのタイトルを超え、音楽理論、即興演奏、身体的限界にまで影響を与える構造的革命となった。ここに収められた7曲は、形式と速度の極限に挑む設計図であり、聴く者を心地よく突き放すような精密さと抽象の交差点に連れてゆく。

特にタイトル曲「Giant Steps」で用いられたコード進行──いわゆる「コルトレーン・チェンジ」は、従来のハーモニック・ナラティヴを解体し、循環構造と転調による無重力的な展開を実現する。だがこの音楽は決して理論のための理論ではない。Paul Chambersのベースが呼吸のように地面を打ち、Tommy FlanaganやWynton Kellyのピアノが瞬時に空間を描き直す中で、Coltraneのテナーサックスは「語る」のではなく「解き放つ」音として鳴り響いている。

本盤は、1975年のAtlanticリイシュー盤（PR刻印・Presswellプレス）。ラベルは赤白緑の3色デザイン、75 Rockefeller Plaza表記、Warner Communications期にあたるが、音質は端正で張りがあり、重心のしっかりとした音像を持つ。ラッカー盤カッティングは「GP」刻印＝George Pirosによるもので、彼の手腕は本盤においても確かな深みと輪郭を与えている。音の粒立ちと密度は、初期オリジナルに準ずる重厚さを保持しつつ、再発ならではのクリーンな解像度も兼ね備えている点が魅力だ。

この盤を聴くとは、ただ音楽を楽しむことではなく、「聴くとはどういうことか」という問いそのものを抱え直すことである。時代を横断する知覚装置としてのこのリイシューは、コレクターズ・アイテムであると同時に、現在における音楽的再読のための貴重なメディアでもある。

メディア：NM（新品同様の美盤）
ジャケット：NM-（開口部シュリンクに数ミリ欠損箇所あり、そこにわずかな日焼け）
付属品：オリジナルインナースリーブ、当時の紙資料・切り抜き付属（貴重）

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