●【SWR】レナ・ノイダウアー(Vn)/シューマン:ヴァイオリンとオーケストラのための作品全集

やっと出会えたシューマンのヴァイオリン協奏曲の本当に心のこもった演奏。シューマンがかつて「天国的な長さ」と評したシューベルトの作品のように、曲を終わりたくない気持ちに寄り添うかのような第３楽章の表現をこの録音で初めて知りました。他の演奏は早く終わってしまいたいかのように思えてきます。オーケストラの伴奏もじつに丁寧に演奏されており、ふつうは音が団子になったりもやもやするところが、各声部が鮮明なフレーズで演奏されていて、低弦もしっかり響きます。オーケストレーションが弱いなどという評がでたらめなのがわかります。チェロ協奏曲をシューマン自身がヴァイオリンに移し替えた第二楽章は、オーケストラの独奏チェロとの美しい対話が、まさに愛の二重唱になっている稀有な演奏。アンコールに小品３曲を配している構成も心憎い。有名人のCDを全部不要にしてしまう名演名録音だと思います。

ディスク・ライナー・ケースともに概ねキレイな状態です。

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【曲目】

シューマン(1810-1856):ヴァイオリンとオーケストラのための作品全集

1.ヴァイオリンとオーケストラ伴奏のための幻想曲 Op.131(1853/1854出版)

ヴァイオリン協奏曲 ニ短調(1853/1937出版)

2.第1楽章:Im kraftigen, nicht zu schnellem Tempo

3.第2楽章:Langsam

4.第3楽章:Lebhaft, doch nicht schnell

ヴァイオリン協奏曲 イ短調(チェロ協奏曲 イ短調 Op.129の編曲)(1850/1987出版)

5.第1楽章:Nicht zu schnell

6.第2楽章:Langsam

7.第3楽章:Sehr lebhaft

小さな子供と大きな子供のための12の連弾小品-3つの編曲作品

8.第3番:前庭のメロディ(エルンスト・ルドルフ編)

9.第9番:噴水のほとりで(エルンスト・ルドルフ編)

10.第12番:夕べの歌(ヨーゼフ・ヨアヒム編)

【演奏】

レーナ・ノイダウアー(ヴァイオリン)

パブロ・ゴンザレス(指揮)

ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

【録音】

2010年1月25-29日

ザールブリュッケン ハルベルク放送局