【古本】『男はつらいよ』三巻セット　山田洋次・森崎東（立風寅さん文庫）★映画脚本集・第1〜９作分を収録。

立風書房／1977 初版２刷／329P
カバー装幀：前川直
…「膝栗毛」を今でも我々が愛するのは、こ
の「根なし草」の寂しさがその旅するうしろ
姿にまつわり、そのはしゃぎ方にも言いよう
のない空虚感があるからでもある。我々は寅
さんやその仲間に大いに笑うのだが、同時に
寅さんの中に「膝栗毛」に見出すあの寂しさ
と哀しさも感ぜざるをえないのだ。
「根なし草」のもつ笑いと寂しさ。それは山
田監督の作品を流れる主題のように思える。
があるからであろう。
 作家 遠藤周作（解説より）

  ・小キズ・くもりなど、相応の経年感あります。
立風書房／1977 初版２刷／335P
カバー装幀：前川直
彼が助監督として私の組に最初についたのは
亡命記」（昭和三十年度）というメロドラマ
である。東大出というが秀才型のいやみがな
く、どこかおっとりしていて、そのかわり要
領がよいとは言えぬ仕事振りで、当時の私の
組のチーフ助監督はすぐ、あの助監督は仕事
にむかないからおろした方がいいと落第を宣
言した。しかし私はどこか彼に魅力を感じて、
そう言うな、ああいう助監督だって役に立つ
事もあるさ、と言ったのをおぽえている。
映画監督 野村芳太郎（解説より）

状態：三方に軽いヤケ、カバーにスレ・ヨレ・微シワ
  ・小キズ・くもりなど、相応の経年感あります。
立風書房／1976 初版１刷／366P
カバー装幀：前川直
解説：大西赤人

…スクリーンを眺めている間は、寅の一見自由
気ままな日々に憧れ、寅の周囲の人々の善意に
感動し、寅の純朴無私な言動に共感している。
しかし、一旦映画館を出て家路につく時の観客
は、柴又をいつもと同じに立ち去ってしまえば
今夜の宿のアテもない寅にひき比べ、我が身の
（不満は多いにもせよ、寅よリは安定している
に違いない）暮らしの価値を見直して、知らず
知らずほんのちょっぴり自己満足を感じるのだ
ろう。〈作家 大西赤人「解説」より〉

【収録作品】
『奮闘篇』
『寅次郎恋歌』
『柴又慕情』


状態：中扉＆最終ページに蔵書印あり（画像参照）
状態：三方に軽いヤケ、カバーにスレ・ヨレ・微シワ
  ・小キズ・くもりなど、相応の経年感あります。
  通読に支障はありません。