【真作】【WISH】トーマス・B・ケニントン T B Kennington 19世紀絵画「ブロンドの髪」油彩 10号◆美人名画　〇19世紀英国巨匠 #25033310

トーマス・ベンジャミン・ケニントン Thomas Benjamin Kennington（1856-1916）は、グリムズビー生まれの英国画家で、リバプール美術学校で金メダルを受賞後、ロンドンの王立美術大学およびパリのアカデミー・ジュリアンでブグローとロベール＝フルリーに師事しました。1880年から1916年までロイヤル・アカデミーで作品を発表し、王立英国芸術家協会やグロブナー・ギャラリーでも定期的に展示を行いました。1886年にニュー・イングリッシュ・アート・クラブの創設メンバーかつ初代書記を務め、さらに芸術家の利益保護を目的としたインペリアル・アーツ・リーグを創設、1889年のパリ万国博覧会では銅メダルを受賞しています。家庭的で理想化された日常風景のほか、『孤児たち』『未亡人と父なき子』『ホームレス』『貧困の痛み』など、貧困層の現実を感情に訴える筆致で描いた社会派リアリズム作品でも知られ、ムリーリョの影響も指摘されています。油彩と水彩の両方を用いて制作しました。

トーマス・B・ケニントン T B Kennington「ブロンドの髪」油彩 10号
本作「ブロンドの髪」は、英国の画家トーマス・ベンジャミン・ケニントンによる、繊細で静謐な美しさを湛えた肖像画です。薄暗い背景から浮かび上がる女性の横顔には、淡い光が柔らかく注がれ、ブロンドの髪が丁寧に編まれた造形とともに、画面に優雅な気配を漂わせています。わずかに伏せた視線と、引き締まった口元は、物語性を感じさせながらも、見る者の想像に語りかけるような静かな余韻を残します。

本作品は人物の存在感が豊かに描き込まれており、ケニントンが得意とした写実技法と内面描写への深い探求が表れています。彼は社会派リアリズムの代表的画家として知られ、貧困や孤独といった人間の現実に向き合う作品で高い評価を受ける一方、こうした私的で詩情あふれる肖像画にも力を注いでいました。本作は、描かれた人物の外見的な美しさのみならず、内面の静けさや尊厳までもを映し出した、ケニントンならではの感性が光る秀作といえるでしょう。画伯の貴重な美人画の名画です。