2004年　149p

ごあいさつ
この度、日本の美 「琳派展」 2004 を開催いたします。
琳派は、桃山時代のきらびやかな装飾の余光をうけて、京都の上層町衆出身の本阿弥光悦 と絵師・俵屋宗達が、王朝貴族の文化の復興を図ったのを始まりとしています。元禄時代に は、彼らの作風を慕い、流派の名ともなった京都の尾形光琳によって大成されました。その 後、大坂の中村芳中に伝播し、100年後には、江戸の酒井抱一によって江戸好みの洒脱さを 加えられて開花してゆきます。浮世絵と並んで国際的にも評価の高い琳派。その優美な装飾 感覚は、現代にも引き継がれています。
会場となる三越は、前身の三井呉服店時代から元禄文化とその象徴である尾形光琳を顕彰 し、光琳模様の呉服がつくられるなど、琳派の歴史とともに歩んできた百貨店といえます。 1904年には、第1回の文化展として「尾形光琳展」が開催され、全国的な元禄ブームをお こしました。それから100年という節目に、『生活の中の琳派』をテーマにその魅力を再発 見していきます。色あせることのない琳派の斬新さや心にくい工夫は、現代に生きる私たち に驚きと喜びを与えてくれることでしょう。
最後になりましたが、開催にあたり貴重な作品をご出品いただきました国内外の美術館及 び所蔵家の皆様、ならびにご協力いただきました関係各位に心より感謝いたします。
主催者

表紙小傷、小汚れ。もちろん読む分には問題ありません。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。