1988年　138ページ　カラー

この度、日中平和友好条約締結20周年を記念して、「中国南 京博物院所蔵甦る!消えた中国皇帝の秘宝」展を開催する運 びとなりました。

1931年9月、柳条溝事件に端を発した日本軍による中国侵略 は、次第に南へと拡大の動きを見せ、北京が戦火に包まれるの も、もはや時間の問題となりました。こうした中、1933年2月、のち に歴史的大事業であったとされる、清王朝が遺した中国歴史文物 の疎開作業、いわゆる“南遷”が始められたのでした。民族の遺宝 を納めた約2万個の木箱が、日々、迫る戦火を避けて中国奥地 を転々とする、数千キロに及ぶ苦難に満ちた旅路でした。

1945年の日中戦争の終結とともに国共内戦が再開され、これ らの南遷文物は、一部は台湾へ移送され、現在は、北京・故宮 博物院と台北・故宮博物院の二ヶ所に展示されております。実 は、これらの南遷文物の中で、北京にも戻らず、台湾にも運ばれ ず、つかの間の休息を取った南京の倉庫で、そのまま眠り続けた 秘宝があったことはあまり知られておりません。

本展覧会では、中国歴代の王朝が民族の遺宝として伝えてき た陶磁器、玉彫、金工、染色工芸品などの名品からなる、中国文 化の精華と、清王朝の宮廷の栄華を物語る清宮文物をご紹介い たします。人々の手に守られ、戦火と革命を生き延びたこれらの作 品を通じて、中華 4000年の歴史の1ページに触れて頂ければ 幸いです。

最後になりましたが、本展覧会開催にあたり、作品をご出品い ただいた南京博物院と、ご後援、ご協力を頂きました関係各位の 皆さまに心より感謝申し上げます。
主催者
中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります.。表紙小傷、薄い折れ線。ページ小黄ばみ。ご理解の上、ご購入ください。 もちろん読む分には問題ありません。
なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。