1996年 219p

ごあいさつ
島霞谷 (1827-1870) は、 幕末維新期、わが国で最も早い時期に油絵 を描き、写真撮影を行うばかりでなく、現存最古の金属活字を発明 するなど多方面に渡り先駆的な活動を行いました。
近年、群馬県桐生市の島家から、 霞谷関係遺品があたかも幕末の タイムカプセルの様に発見されました。 今回の展覧会では、初公開 資料を豊富に含む霞谷関係遺品に、 絵画・写真・活字など現在では別 の分野に独立した領域が、 まだ渾然としていた黎明期の相互関係を 探りたいと思います。
展覧会の開催にあたりまして、 格別のご理解とご協力を賜りまし た島勝二様を初めとする島家の皆様方、 桐生市在住の山鹿英助様、 あたたかいご支援を頂戴致しました関係者の皆様方に厚く御礼を申 し上げます。
松戸市戸定歴史館

島霞谷に関する資料　絵画等102点　書44点　写真90点　計236点
　(島霞谷の絵画- スケッチ、肖像、景色等・撮影写真- 徳川慶喜、自身等の人々等・　愛用品等　幕末の絵　写真　他)

解説

　近世画像の諸機能と写真の出現　宮地　正人　166

近世画像の諸機能
洋画と写真に向けるまなざし
写真技術と開成所
　島霞谷の仕事とその視覚の特色　山梨　絵美子　176

霞谷の仕事の一貫性
写真と絵画を貫くまなざし
　島霞谷の活字製造について　府川　充男　181

島霞谷の活字製造
島活字使用書籍目録
　実用としての写真　-もうひとつの写真術-　岡塚　章子　188

　島霞谷と開成所について　斉藤　洋一　191

島家資料の発見
島霞谷と幕府開成所との関係を巡って
島霞谷の開成所入所
霞谷の開成所人脈と写真
維新後の霞谷
参考資料

　島霞谷『御用留』翻刻(稿)　199

　島霞谷年譜　208

　出品リスト　211

表紙小傷、小汚れ。背表紙変色。もちろん読む分には問題ありません。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。