昭和56年 厚さ約1.5cm
覆刻版の序
玩具の本『べにうし』のこと
原田種夫
玩具の本『ベにうし』は、郷土の画家で、大正十五年以来、帝展入選八回の画歴をもつ青柳 喜兵衛画伯と、わたしと二人で考え、二人で創ったものだ。「ベにうし」という誌名は、わた しが丑年の生まれだから付けたのである。その題字は従兄の子の安永久美子(当時七才) に書い てもらった。
表紙からカット一切、郷土玩具に取材したものを青柳が描き、文章は、わたしが集め、広告 は、青柳が紹介した店から貰うことにした。 わたしは、今も雑誌の編集や、割り付けに当って いるが、わたしの生涯の中でも、この玩具の本『べにうし』を作る楽しさは、とても譬えよう がないものであった。妻も喜んで手伝をし、広告はわたしと、妻と手分けをして貰い、どうに か印刷費にひき当てるだけは取れたようだ。

第一冊(夏の巻)は、昭和十一年七月、第二冊(秋冬の巻)は、十一年十二月、第三冊(夏 の巻)は、十二年八月、第四冊(春の巻)は、十三年八月、以上四冊

外箱小傷、小汚れ。