地方の古い家の食器棚に丁寧に包まれて置かれていた、厚手のガラス製小皿です。縦・横　約14.5㌢の正方形で、正方形小皿の各辺中央部が少し狭く約6㍉、端部がやや広くて約9㍉と細かな配慮がなされ、また、4隅の角でも角中央が約12㍉、角の端が約9㍉で、平たい五角形が描かれ（（5,6枚め、逆向き7枚め）、丁寧に人手をかけた、昭和のものつくりの基本が伺われます。

小皿の底部でも、約10㌢の正方形の裏側部分に、多数の細い線とやや太い線を含めて溝が施され、縦、あるいは、横の、すっきりした線紋が彫られています。彫られた線の端に示されるように、溝の長さにはわずかに長短があり、機械製造ガラス容器の画一性と違って手作りの風合いを感じさせます。底部裏側の中央（両端から約3分の1）は、両側よりも少し凹み、表側から見ますと、裏側中央部が少し盛り上がったように見え、ここにも細かな配慮がなされています(9,10枚め）。

本品は、高い透明度のクリアなクリスタル・ガラス製で、重さは、1枚が約450㌘、他の1枚が4475㌘と僅かに相違します。また、正方形のクリアな約2.3㌢幅の縁部分には、よく見ると、小さな気泡が見られます。一般的に気泡は、融解温度が若干低いときに生じますが、昭和期に製造されたガラス容器や窓ガラスにも小さな気泡が見られ、本品もそうしたガラス製品と見なせます（15枚め）。気泡のない現代ガラス製品と異なり、手作りのまったり感が漂います。

なお、表面のクリアな端部分に、経年によるアタリのためスリ（4-5㌢ほど）や極小のカケなど、若干の汚れなども見られますが（13、14枚め）、これらの点は御了解下さい。

　昭和レトロの小皿として、食卓でもお使いいただけますが、今ではなかなか再現できない細やかに細工された、昭和レトロの、クリアな飾り皿や小物置きとして御使用いただけばと思われます。

　サイズ　縦横　約14.5㌢　重さ各　約450㌘