Raisin - グラス "Cabernet"

気に入って何度か使いましたが、特に傷などありません。廃盤品との事ですので、お探しの方はどうぞ。

素材: ガラス
色: クリア
サイズ: 幅 107mm 奥行 107mm 高さ 206mm (660ml)

香りや色、味わいを楽しめるようにワインの品種をイメージした様々なグラスを揃えました。 佇まいの美しさを大切にしたしなやかな曲線と極限まで絞った繊細な脚、控えめに触れる口当たりはどんな料理とも調和します。

小ぶりな食器が多い日本の食卓には控えめなワイングラスが似合います。Raisinはステムを短くし、高さを抑えて和食のしつらえにも似合うように作りました。
この細く華奢な脚は、付け脚という技法で製作しています。ボウルとステム、フットを別々に作ってゆく技法です。金型の中にガラスを吹き込んで底の丸いボウル部分を成形し、中心を見極めながら溶けたガラスをちょこんと付け、指定の長さに伸ばします。この時、ガラスの量が多いとステムが太くなり、逆に少なすぎると極端に細くなってしまいます。ガラスが固まる前の一瞬のうちに作業を終えなければなりません。ステムを付けたら、その次はフットと呼ばれる円盤状の台です。これもガラスの量の加減によって直径が変わります。真っ赤に溶けた水飴のようなガラス種は、みるみると固くなってゆきます。精巧な技術力に加え、絶妙なタイミングを見計らう判断力が必要です。
近年はマシンメイドのグラスのクオリティが飛躍的に向上して、手作りのグラスは工場が次々に廃業し生産量が低下する中、現在の日本ではこの付け脚の技術を持つ職人は片手で数えられるほどの人数しか居なくなりました。付け脚のグラスはボウル全体を薄く作れること、また、ボウルとステムを別々に成形するためその境界線を明確に表現することができます。
細く絞った短いステムとふっくらと可憐な曲線を描く薄いボウル、その付け根はできるだけ小さく作りました。楚々とした佇まいがテーブルに品の良い華やかさをもたらします。