パソコンにダビングして聞いていたため、１回のみの使用。

奥じまいしていたため、色あせ等もなく、開封時のきれいさを保っています。

プラケースに保管時の軽い擦れが見られるため、「未使用に近い」ではなく、「目立った傷や汚れなし」にしています。

日本盤。帯、解説完備。



「レヴューより」

バッハの管弦楽組曲にも多くの名演があるが、このピノックの旧盤の良さは素朴さにある。素朴とはいっても、稚拙さとは違う。古楽器演奏のレベルにはすでに相当の高さがうかがわれる。ただ、洗練されきっていない音楽づくりのなかに、強い推進力がこめられているのだ。その推進力は、この後の、この指揮者と楽団の躍進を象徴するかのようでもある。

プレストンの独奏トラヴェルソも節回しなど、そんなにすぐれているわけではないが、繰り返して聴いて不思議に飽きがこない。３番の序曲の祝祭的でリズミカルな愉悦感は何度聴いてもウキウキしてしまう。



カール・リヒターを筆頭に現代楽器のもの、アーノンクール、クイケンあたりに代表される古楽器演奏のもの……と聴いてきましたが、あまり求心的過ぎず、堅苦しくもない、遊戯性も表現されたバッハを時とともに次第に求めるようになったものでした。

ピノックの安定感、どこまでも自然なその音楽は、もっと評価され、聴かれるべきだと思います。

（たしか、古楽器オーケストラにも興味をもっていたレナード・バーンスタインは、生前、ピノックのこのイングリッシュ・コンサートで指揮棒を振らせて欲しいと頼み、ほぼその約束がたしか成立していた……かと思います）



ピノックによるバッハの管弦楽組曲のＣＤ。速めのテンポとリピート省略が多いため、全４曲が１枚のＣＤに収まっている。１９７８年の録音。

演奏はかなり個性的。各曲とも序曲を他の演奏にはない速いテンポで進めている。スタイルと音質にやや古さを感じるが、そこが今聴くと逆に目新しい新鮮さを感じる。

第２番でのプレストンのトラヴェルソも、最近のウマい演奏家にはない独特の「ヘタウマ」的な味がある。

「新盤」ではやや「普通」の演奏になってしまった観があるピノックの管弦楽組曲。私はこの「旧盤」の方が好きだ。