アメリカの田舎町を舞台としたヒューマンミステリー小説２冊です。

「ベント・ロード」ローリー・ロイ
60年代後半のカンザス州の町が舞台です。
この時代の地方の町では　まだ女性の立場は弱く夫や町の古い因習に従って生きています。
家族の色々な人の視点から物語は描かれていて　デトロイトの街から夫に従って　この閉塞感の漂う田舎に来たルイーズの不安な心情が　ひしひしと伝わります。
25年前に殺されたスコット家の長女の未解決事件。新たに起こる幼女の行方不明事件。
60年代の田舎町の空気感と日常の暮らしも丁寧に描かれています（食べ物がよく出てきます）。
事件の真相は　やるせないものでした。
早い展開が好きな人や　人間ドラマより強いサスペンス色を求める人には不向きかもしれません。

「キリング・ヒル」クリス・オフット

罪と罰のミステリー
ケンタッキー州東部のアパラチア山脈麓の寒村が舞台で　現代ですが　身内の絆は強くかなり閉鎖的です。
陸軍の犯罪捜査官の主人公が　保安官である妹に協力して　故郷の寒村で事件捜査に当たります。
短い章立てなので飽きさせず　ハードボイルド要素もあります。
浮気相手の子を宿しながら　問題ないわと言う妻に　妻を深く愛していて優しい主人公が　どう決断するのかも気になります。
主人公がやたらとカッコよくて　周りの登場人物の個性も際立っているなと思ったら　シリーズになっているようです。まだ未翻訳ですが。
アメリカの犯罪物のテレビドラマを一本見た感じです。

二冊ともこちらで購入したものです。
目立つ程でもないですが　擦れやカバー上部の折れ　中ページにめくった皺がよく見ると一部にあります。
中古本をご理解頂ける方に。

説明書きが長くなってしまって　申し訳ございません。