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グッド・スパイ

ＫＧＢ秘密工作員ニコライの“アメリカ市民”としての平和な夢はソ連大使館の指令で16年ぶりに破られた．そして自由を満喫するスリ－パ－とＫＧＢとの虚々実々の死闘が始まります！西側に憧れたスパイを描く奇妙なスパイ小説です。



囁く声（上下2冊組）

1920年代から、70年代に亡くなるまで８人の大統領に仕えてきた初代ＦＢＩ長官のジョン・エドガー・フーバー。　自らの地位を利用して手にいれたＶＩＰたちの極秘情報を記したファイルをどっさり隠し持っていて、それを恐喝の道具に使って取引をしていたといううわさもしきりに聞こえてきます。この数々の“フーバー伝説”を散りばめた謀略小説が「囁く声」。

　諜報機関によって集められた情報を基に脅迫を受ける大物政治家を主人公にしたフィクションを書き上げた作家ピーター・チャンセラーが、いつしか物語の登場人物と同じような運命に翻弄されていく、といった内容のポリティカル・サスペンス。消えたファイルをめぐる陰謀．次々に掛る不気味な囁き声の脅迫電話．アメリカ国内政治の背後にあって恐るべき権力を掌中におさめようと企てる者の正体は誰か？という趣向になっています。



血統

主人公は腕利き英国諜報部員・ジーン・ホーキンス。38歳、沈着冷静で有能ではあるものの憂鬱症に悩まされて希死願望があるといった煮え切らない性格です。彼の3週間の休暇中に諜報機関の上司から依頼された仕事は行方不明となった有名な種馬を探すというものです。従ってこの仕事は正式な命令ではなく上司の個人的な依頼ということで、なんとなく力が入りません。

ディック・フランシスの小説ですから、馬は登場するものの引退した種馬の話ですから、レースのシーンもなく、スリルとサスペンスに欠ける印象なのですが、タイトルが語るように、競馬界で大変重要視されている名馬の「血統」がテーマになっており、それにかかわる競走馬生産者の犯罪を、米国に乗り込んで現地保険会社調査員との共同作業で暴き、盗まれた馬たちを取り戻す物語です。米国での相棒との友情、上司の娘との恋愛など人間関係も書き込まれて楽しめます。