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島根県奥出雲町で、たたら吹きという製鉄法を継承する日刀保(にっとうほ)たたらで製鉄された玉鋼。真砂砂鉄（まささてつ）と木炭を30分おきに交互に焼べること3昼夜で製鉄。近代製鉄法では再現できない製品です。
2017年実写映画「たたら侍」やスタジオジブリ1997年アニメ映画「もののけ姫」でも有名に。
たたら（蹈鞴）とは元来は、ふいご（風を送る道具）の意味でしたがその製鉄法や製鉄所をも意味するようになりました。
戦後設立された公益財団法人「日本美術刀剣保存協会」通称「日刀保」（にっとうほ）など刀剣関係者の尽力により靖国たたら（日立グループ提供）跡地に復元された日刀保たたら。画像に写る安来製作所は特殊鋼のヤスキハガネでも有名ですね。現在はプロテリアル安来製作所であり旧称は日立金属安来工場でした。
たたら吹きは明治時代に近代洋式製鉄技術による影響から衰退しながらも軍刀需要により第2次世界大戦中に靖国たたらとして復活し大戦終結とともに操業が途絶えました。日本刀を作る刀鍛冶（刀匠）からの強い要望を受けて1977年に「日刀保たたら」として復元され例年1月から2月に操業されています。1,200～1,500度を維持する炉の1回の操業で2～3トン程度の製鉄ですが内訳は玉鋼を生む核となる鉧（けら）1トン程度、やや品質の落ちる銑（ずく）1.6トン程度、その他は「のろ」と呼ばれる鉄滓（てっさい）/スラグ等が製鉄されます。
鉧（けら）1トン程度から粉砕を経て分別される玉鋼は300～600キログラム。さらにその中から採れる100キログラム程度の最高品質、1級Aがこの商品です。操業の締めには製鉄職の神である金屋子神（かなやごかみ）に感謝を伝えます。
村下（むらげ）とは、たたら場を統括する長です。安部由蔵（Yoshizo Abe）村下に師事し、海外での実演でも有名な木原明（Akira Kihara）村下は2024年に逝去。
鉄98%、炭素1.0%～1.5%と微量元素。個体差がありますが100ナノメートル程度の酸化皮膜による光の干渉作用が強いと煌びやかな外観になります。日本刀、玉鋼は錆びにくいことで知られていますが購入後は商品の性質上、湿気等にご注意下さい。