岩波文庫いにしえの古典の内容は「小出楢重随筆集」「和辻哲郎・古寺巡礼」「永井荷風・濹東綺譚」「佐藤春夫・田園の憂鬱」「新訂・方丈記」の５冊セットです。「小出楢重随筆集」は1999年第11刷発行、394ページ、「古寺巡礼」は2000年第44刷発行、287ページ、「濹東綺譚」は2000年第60刷発行、196ページ、「田園の憂鬱」は1997年第36刷発行、125ページ、「方丈記」は2000年第24刷発行、151ページです。いずれも学生時代に感銘を受け、後年になり、再び読みたくなって購入したものです。いずれも購入して時間が経っていますので、若干のシミがある本もありますが、紙面そのものは綺麗です。名作古典こそは、何度読んでも新たな発見や感銘があります。まさにそれこそが、時代の風雪を凌いで生き残ってきた名著たる所以だと思います。特に方丈記(鴨長明著作)の冒頭の3行は、これぞ人生の真髄だと私は思いました。その3行とは次の文章です。"ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず…よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし…世中(よのなか)にある人と栖(すみか)と、又かくのごとし…"