ブラームス　2枚組

・ピアノ協奏曲第1番ニ短調 op.15

・ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 op.83

・幻想曲集 op.116



エミール・ギレリス（p）

指揮：　オイゲン・ヨッフム

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団　

録音：1972年　ベルリン



20世紀を代表するピアニスト、ギレリスによるブラームスの名演。ヨッフム／ベルリンフィルの純ドイツ的なサポートも万全。2017年刊行の名曲名盤500では第1位に選定されています。



ブラームスのピアノ協奏曲は、オーケストラが重要な役割を果たす場面が連続する作品で、それだけに指揮者とオケには、まるで交響曲のような演奏のグレードが求められるため、これまで名盤といわれてきたものの多くが、有名オケと指揮者によるものだったのも頷けます。名盤群の中でも最も立派とされてきたのが、このギレリスとヨッフム指揮ベルリン・フィルによる演奏で、パワフルなピアノと、オーケストラの壮大な演奏が、図抜けた存在感を示しています。教会での録音ならではの野太い音質も功を奏し、きわめて重厚なサウンドがリスニング・ルームを埋め尽くしてくれます。



ギレリスの演奏を聴いて初めてこの２曲の良さがわかった。もちろんギレリスも技巧は完璧だが全体を通して伝わるのは作品への愛情、慈しむように一音一音心をこめて弾いているのがわかる。そしてベルリン・フィルとヨッフムというブラームスには最適とも言えるオケが本当に滋味溢れる味わい深いドイツの響きを奏でているのも素晴らしい。野に咲く一輪の白い花の美しさに似た心温まる演奏。



ブラームスだなあ、という素朴な思いが湧いてくる。若書きの第１番冒頭の圧倒的迫力。迫力という言葉はブラームスにはおよそ似合わない言葉ではあるが、19世紀音楽界の表舞台にまさに出ようとするブラームスの雄たけびの様なものを感じる。一転して２楽章、言葉を失いそうになる抒情美。第２番冒頭の何という浪漫。３楽章のチェロとのデュエットも素敵だ。ギレリスとヨッフム、日本では正当に評価されているとは必ずしも言えない両横綱のぶつかり合いが生んだ、奇跡の結晶。



輸入盤、盤面傷無し 18

★バックインレイ”よれ”あり



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