宸翰
文字に込めた想い

京都国立博物館の図録です。


当館では昭和五十八年から平成七年にかけて、各部門ごとの図版目録を刊行し、内外での利用に供してきた。しかし、収蔵品 の充実とともに既刊の目録に掲載されていない作品も次第に増え、その増補が待たれる状況となっている。
現在、当館における書跡館蔵品は一〇七四件をかぞえる。なかでも、守屋コレクションに代表される古写経、国宝「藻塩草」 をはじめとする古筆や手鑑とならび、一大コレクションをなすのが宸翰、すなわち天皇の書である。 古写経および古筆と手鑑は 「守屋孝蔵氏蒐集 古経図録』(昭和三十九年刊)、『古筆と手鑑』(平成元年刊)にて大綱を知ることができるが、宸翰について は全体像を提示するには至っていない。
本書はこうした点に鑑み刊行するもので、集録した宸翰は五十九点にのぼる。当代一流の文化人であった天皇の書は、美術的 に重要であるのはもちろんのこと、政治・経済・文化について重要な内容を含むことから、歴史学・国文学といった各方面にお いても注目される。これら五十九点もその例に漏れず、質・量ともに第一級の価値を持つコレクションである。
本書が一人でも多くの人の目にふれ、歴史学をはじめ、関連する学問分野において広く活用されることを望んで止まない。
京都国立博物館

との説明文がございます。

よろしくお願い致します。