アマゾンでは4700円以上の値が付いていますが、2500円としました。

カバーにヤケ３cmほどの破れや切れ・スレ等の傷み、小口・見返しに強いヤケ、26～27ページにかけて薄緑の色鉛筆による6~7行の薄い線引き、212ページには、朱色の色鉛筆の穏やかな線引きが１行あります。背割れは無く滑らかにページをめくることができます。

要は63年前の本という事です。

4700円の本に劣るかどうかは確かめようがありません。



永井龍男著『朝霧』という小説の中で、痴呆の進んだ老人が「ラセラスは余りに幸福すぎたので不幸を求めることになりました」と繰り返す場面があります。堪忍袋の緒が切れた奥さんは、「お黙りなさい！」と一喝し、「本当にラセラスは悪い人です！」とたしなめると、老人は黙ります。



私は根気がなくて、遂にラセラス王子の幸福も不幸も確かめることができませんでした。

どなたか代わりに確かめて頂けませんか？

幸福を探すまでが幸福で、見つけた瞬間からが不幸…などと寺山修司さんのような皮肉は申しませんよ。