長期自宅保管となりますが、写真のように保存は比較的良好です。ご了承いただけるかた宜しくお願い致します。

他の商品と同時購入希望の方は送料が節約できる場合、割引ができることがあります。その場合は購入に進む前にコメントください。



牛乳アンタッチャブル

　前半の事件発覚から社内の責任問題を取るためにクビキリの調査チームを結成するところまでは、ドキュメントタッチですが、後半はスプラッターナンセンス小説へと大きく味変します。　

　雲印の低脂肪乳を飲んだ人達が次々と病院に運ばれその数5000人。苦情が殺到しますが、社長をはじめ工場長、広報などの幹部役員は全く危機感がなく、人隠蔽、責任転嫁に終始します。そんな中、人事部の柴田だけが重大さを認識してクビキリ特別調査チームを発足させ中毒牛乳を生産した大阪工場へと向かいます。そのクビキリチームの面々も怪しい人物ばかり、リーダーの宮部まで、昼間から屋外で破廉恥行為をして捕まってしまうといった問題児。他のメンバーも一癖もふた癖もあり、繰り広げられる修羅場は破廉恥、グロテスク、スプラッターで大規模リストラ作業は上手く行くのかどうか行方が危ぶまれます。

実際の事件をなどっているとはいえ後半からはその下品さにフィクションの神髄を見るようで拍手です。



燃えよ！刑務所

　刑務所の過剰収容問題に取り組むべく警察官僚ＯＢ 花菱城一郎は刑務所の民営化に乗り出します。法務官僚や国会議員などの立ち塞がる障害を金とスキャンダルで封じ込め、米国大統領に圧力をかけさせ、小井泉首相の協力を得てゴリ押しで“民間刑務所”開設の法案を通させます。かくして民営刑務所の所長に収まった花菱は、自己採算で運営するためにタダで使える囚人たちを劣悪な環境で酷使し。狂暴な犯罪者同志のプロレス興行、マルチ商法、そして実際の囚人たちが命をかけたアクション映画を製作して巨利を得ます。

　民営刑務所というアイデア一本でこんな長編小説を書き上げてしまう戸梶の才能も驚くべきことであるが、深層には人権派に押されて甘くなっている我が国の司法判決に対する批判が満ち満ちており、ここには納得。

「俺は裁判官が嫌いだ。九人もの少女を殺したり、傷つけたりした野郎に、たったの懲役十年だぞ。　頭がおかしいんじゃないのか？　しかもそんな奴に、国は一日三食も栄養満点の飯を与えてぶくぶく太らせているんだ。」