古伊万里染付け小鉢です。手書きの絵付けで、見込みには対面に同じ図柄の草花、丹頂鶴つがい、月にむら雲、人馬?などが描かれています。

厚手の小鉢で、厚みのある口縁の外側を２段にした凝った造りで、口縁にも外側にも図柄が。

高台の内側は、中央部を除き無釉で胎土が現れています。釉がかけられた中央部には裏（窯）印でしょうか、二重角中に一字が描かれています。当時、角中に「福」や「吉」が描かれた窯印の磁器があったようです。「角福」や「角吉」と呼ばれていますが、出品の小鉢が該当するかは分かりません。



大きさは約（ｃｍ）、口縁外径１６・内径１３．５、高さ５．７、深さ４．８、高台高さ０．６・外径８．３、重さは約４４０ｇです。



飾り棚に置かれていたものでほこり汚れはほとんどありません。見込みの底には、目を凝らさないと分かりませんが、髪の毛より細い使用による線キズが見られます。口縁内側の一ヶ所に５ｍｍほどの欠け（ホツ？）（画像写真３枚目）が見られます。その他には縁や表面に欠けやヒビ、割れなどはほとんど見つかりません。

小鉢には製造由来と思われる虫食いや釉ハゲ？（画像写真６枚目）が見られます。また、口縁下内周には何段かの輪（画像写真３枚目）が見られますが製作跡だと思われます。



古伊万里は江戸時代から明治初期に肥前（佐賀・長崎県）で焼かれた磁器で、それ以降の伊万里焼とは区別されているようです。



出品の小鉢は今から１５０年以上前に作られた古伊万里のアンティーク品です。コレクションに加えていただくことも、食卓で、例えば菜の花のおひたしなどの盛り小鉢にお使いいただき色合いと同時に、当時を彷彿とさせる落ち着いた染付けブルーを味わっていただくのもいいと思います。アンティーク品であり洗浄などのお手入れの上お使い下さい。