1940年代の蒸気機関車の機関士の保険支払い用の乗務記録手帳です。

「Enginemen's TIME BOOK」

Brotherhood of Locomotive Firemen and Enginemen



この手帳は、当時過酷な労働環境であったにも関わらず低賃金であった蒸気機関車の機関士とFIremen(火夫：窯に石炭をシャベルで投入する作業員)が、彼らの労働同胞団（現代の労働組合のような組織）から保険金を得るための記録簿です。

1800年代から1900年初頭の機関車作業員はとても危険な作業で、爆発や運転中の事故などで、障害を負ったりや死亡するケースが多かったようです。それを受け、1873年に設立されたこの組織によって本人や遺族に対し保険金などの管理がなされるようになりました。

この組織は1969年、鉄道車掌、ブレーキマン同胞団、鉄道列車員同胞団、北米スイッチマン連合と合併し、ユナイテッドトランスポーテーションユニオンとなりました。



手帳最終ページのカレンダーは1946年~1947年のものですが、手帳の記載を見ると実際にこの手帳が使用されたのは1949年のようです。

当時のメモ紙がそのまま挟んであって歴史を感じることができます。

また、この手帳は、表表紙の裏に当時のセロファンテープで、賃金の早見表が張り付けてあります。これによると「FIREMEN」の記載があるので、こちらは火夫（窯に石炭をシャベルで投入する作業員）が使用していたものです。機関助士とも呼ばれるのでしょうか・・・。



記載内容は主に

乗務年月日、運転したエンジン（機関車車両）番号、乗務時間、走行距離、確認者の署名などです。



1940年代の蒸気機関車の機関士に常に携行されていたと思われる当時の雰囲気をぜひ手に取ってご覧になってください。大変貴重なものです。



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