高校事変をテーマにした松岡圭祐の小説。

- 著者: 松岡圭祐
- タイトル: 優莉圭太 高校事変 劃篇
- 出版社: KADOKAWA
- 定価: 880円
- シリーズ名: 最凶悪の敵 確撃の真相

ご覧いただきありがとうございます。

本作では、千里眼シリーズ、JK、そして高校事変全巻を通して伏線を張っていたことが繋がり、読者を喜ばせるところと、また千里眼シリーズを読み直そうか、と松岡ワールドをぐるぐる堂々巡りしたい気持ちに駆られます。

とにかく何故こうも残虐で、結衣が憎む親父に対して、一種ヒーロー的な気持ちが湧いてくるので、共感しすぎないように、しかし本当は結衣は、どちらなのか？を敢えてわからなくして、読み続けさせる戦略なのでしようか。千里眼のような人の心に宿る本来善の勧善懲悪は好きだけれども、今のご時世の中で生きる我々には、一部できないことをやってくれるダークヒーローの、その凶暴性にも歯止めがかからず、次々に人が殺されるシーンに対して、自分がエスカレートしているのを感じます。
かといって、タイガー田中は、だからなのか、読むか？読むまいか？の迷いが起こります。もう人の死なないミステリーには戻れないのか？これは一部中毒反応かも知れません。この先がどういう展開なのか、見どころです。過激の中に正義や信念、忘れかけているものを取り戻すための何か？を求めていきたいと思います。
一読した中古品となります。