《図録》フランス・コルベール展
フランスの生活アート
※解説文は仏語・日本語の対録です。

24×29.7cm 155ページ
会期 1985年4月1日～5月12日
会場　東京都庭園美術館
主催　コミッテイ・コルベール
東京都文化振興会
サンケイ新聞社
後援 外務省、文化庁、フランス大使館、パリ市、東京都、フジテレビ、

〈序文〉東京都知事　鈴木俊一
フランス・コルベール展」が、東京都庭園美術館で開かれることになりました。
コルベール展では、コルベール委員会を構成するフランスの著名メーカーが秘蔵する美術品や、各社が創作した歴史を象徴する独創的な製品が展示されます。同展に出展されている作品は、過去何百年にもわたって、フランスの名匠たちが築き上げてきた生活芸術の精華といえるものばかりです。
会場の庭園美術館は、フランス建築美の粋ともいうべきアール・デコ様式が随所にとりいれられた由緒ある建物です。そして、ちょうどこの時期、美術館の庭園は、こぶしや桜の花が咲き競い、新緑が萌える一年中で最も美しい季節を迎えます。
このフランス芸術にゆかりの深い建物と自然の美しさの中で、フランスの生活の芸術ともいえる最高作品を鑑賞できますことは、ほんとうに嬉しいことです。

（暮らしの中に生きる芸術）
生活文化という言葉がある。世界中の諸民族は、それぞれの気候、風土、環境の中でそれに適した衣食住の様式をつくりあげ、発展させて、自然から勝ちとった文化である。
生活芸術とはその生活文化に芸術を導入し、より質の良い、美しいものにしようと考えられた言葉である。かつては王侯貴族だけに許された生活を一般大衆のものにしようという野心的な試みである。
人間はどこで暮らそうと、＜芸術とともに＞生活することができる。だが、その生活芸術は風土の差で、各民族多種多様で、人間それぞれの顔のように千差万別である。
フランスでの生活は日本での生活とは当然違う。
このコルベール展を通じ、わたしたちは日本のみなさまに今日のフランス芸術を見ていただきたいと思う。

［状態］表紙カバーは経年によるヨレ、日焼け感がありますが、解説本文、掲載写真はきれいです。

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