①シューベルト:交響曲第8番 ロ短調 D.759 《未完成》

②シューマン :ピアノ協奏曲 イ短調 op.54



マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) ②

チョン・ミュンフン指揮

フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団

2001年12月録音



元々は仏グラモフォンのローカル盤でエイズ撲滅のチャティCDとして製作されましたが限定生産で入手が困難であったもの。演奏のあまりの素晴らしさに目を付けたタワーレコードが権利関係をクリアして企画盤としてCD化したものです。



《未完成》は落ち着いた雰囲気の中に不吉な美しさが感じられる演奏。ピアノ協奏曲はアルゲリッチとチョン・ミュンフンの異色の顔合わせ、灼熱のライヴです。炸裂するアルゲリッチのピアノに触発されたオーケストラも表情豊かな熱演、白熱度と技術、オケの技術や音色、合わせのうまさ、録音の良さなどの点で、もっともバランスのとれたものではないかと思います。冒頭の有名な出だしこそリラックスした感じで始まるものの、だんだんと熱気を帯びてきて、アルゲリッチ特有の煽るようなフレージングが次々と飛び出してきます。



「未完成」は落ちついた感じの可もなく不可もなくという演奏だが、アルゲリッチのピアノが炸裂する「ピアノ協奏曲」になると演奏は激変して、ダイナミック且つエネルギッシュなものに変貌する。しかしこれは乱暴な演奏というわけではなく、エレガントに上品に、そして優雅に、ハートのこもったドラマティックな熱演を聴かせてくれる言う意味だ。しかし、ピアノ1台が加わるだけでオケの演奏がこうも変わるとは、やっぱり天才は恐ろしい。



シューマンはかなり素晴らしいです。オーケストラがアルゲリッチに煽られていると感じる場面もあります。第３楽章（2:02過ぎの部分、6:17過ぎの部分、8:40過ぎの部分)等、桜吹雪が舞い、小川の水面にも桜の花びらがたくさん浮いて一面薄ピンク色になっているような、幻想的なイメージが浮かびます。



国内盤【廃盤】帯付き、盤面傷なし 9

開封済みですが新品に近い美品です



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