約60.0㌘
約73.6㌢
バランスポイント、フェルールから18.5㌢あたり

表題のとおり、剛弓ではないがオールドボウ特有（1900年代に入るとやや少なくなる傾向と感じる）の粘りを強く感じる弓で、自身にとって非常に好ましい弾き心地の弓です。
それほど気に入っておきながら手放すのは矛盾では？とのご指摘をいただきそうですが熟慮の末、悩み抜いた上のギリギリの決定でした。
柔らかなタッチで繊細に弦を掴んでくれ、濃い音色を引き出してくれる弓をお探しの方にお譲りできれば幸いです。
いわゆる剛弓ではございません。


2年近く前にオールドボウとして入手していて、毛替えとチップ交換が約1年前、ほとんど弾いていない時期が長かったため弓毛に特段劣化は見受けられません。
表面のニスの剥げや肌荒れが少しありますけれども年数の割には小キズなども少ない方かと思われ、
もちろん折れたところや割れ等もありません。
フロッグ、スクリューの動作もいたって良好です。
反りも理想的、バランスも適切だと感じます。

風貌から1800年代後半以降のジャーマンボウなどではないかと考えていました。
細く高めのヘッドから繋がるスティックは微かにシシャモ型、フェルールがせり出したフロッグの特徴的な形状、靭やかでもちっとした弾力を持つキメの細かい材料、現代弓より僅かに短いサイズ感…

華美さはないですが何とも愛らしい雰囲気の、手に収まりの良い弓と感じていました。

コンテンポラリー弓ではなかなか願う弾き心地に辿り着けない方にはお勧めしたい次第です。