旧ユーゴスラビア社会主義連邦共和国という国で発行された一連の絵画シリーズの切手です。

花、静物画、肖像画、バロック期と中世、室内画、帆船、裸婦、風俗画、風景画など。社会主義のもと欧州の一国で発行されてきた切手。
　表紙のチトー大統領の肖像切手のリーフを含めて１３リーフ。切手は７２枚あると思います。すべて未使用でファイルに収められています。


さてさて。
旧ユーゴスラビアというと共産主義国の一つだという認識くらいしかないかもしれませんが、実際には非常に示唆に富む独自路線を「実験」した国です。これをやったのがチトーさん(ヨシップ・ブロズ・チトー 1892年5月7日 - 1980年5月4日）です。

第二次世界大戦後、さっそモスクワからの自立の取り掛かったチトーさん。それを恐れたソビエト連邦のスターリンは、共産主義圏から徹底的に仲間外れにします。
(1948年ユーゴスラビア共産主義者同盟をコミンフォルムから除名。いわゆるチトー＝スターリン決別。ソ連との友好相互援助条約も破棄)。
さらにソ連からチトーを狙う暗殺団が度々送り込まれます。チトーさんは、秘密警察に暗殺団を全て検挙させ、逆にモスクワのスターリン宛に「刺客を送る用意がある」との電報まで送ります。これによりソ連はユーゴスラビアのに衛星国化を諦めたといいます。

そして、ソ連型社会主義と対峙し、各共和国の大幅な自治権を特徴とするユーゴ独自の自主管理社会主義を建設していきます。

この、労働者同士でなんでも話し合って決めていく、という体制がうまく行ったかどうかは、哀しいことに歴史が示すところです。

BF