作　チャールズ・E・ハメイン
訳　高橋泰邦

早川書房

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作品紹介

西欧連合の月ロケット第1号 暗黒の空間を飛翔すること実に35万キロ、ついに月面に接近して、接触態勢に入った。

接触地点は、『雨の海』北端の大噴火口地帯だ。

全地球の宇宙通信網は、月ロケットからの最後の通信を受けとって緊張した一人類がはじめて他の天体に足跡を印する歴史的瞬間が、いまや目前に迫ったのだ!

だがそれを最後に、月ロケットからの通信は、ぶっつりと杜絶してしまった。

月面に撃突したのか?

それとも不時着したのか?

生存者は?

宇宙への人類の進出を阻むもの、その最も恐るべき敵は絶対真空だ。

宇宙では、真空が正常で、酸素のある状態 が異常なのだ。

食料はわけ合うこともでき、水は節約することもできるが、酸素だけはどうしようもない。

生きんがためには、是が非でもその異常な状態を保って行かねばならないのだ.

月面に生きようとするロケット搭乗員の絶対真空との死闘は一

イギリス現代SF界の第一戦作家メインの代表作。

強烈なスリルと迫真性とは、読者を一挙に宇宙間へと拉致するだろう。