ブラームス

①ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77

②ヴァイオリン・ソナタ第３番 ニ短調 作品108



マキシム・ヴェンゲーロフ（ヴァイオリン）

ダニエル・バレンボイム（指揮＆ピアノ）

シカゴ交響楽団

録音：1997年ライヴ①＆98年②　シカゴ



ヴェンゲーロフ24歳の時の録音。ヴァイオリン協奏曲では自作のカデンツァを弾いている。スケールの大きさ、旋律線のうたわせ方、濃やかな表情、そして曲の構築力とどれも完璧。バレンボイムと互角に渡り合っている。激しい切り込みで引き締まった艶と力強さを感じさせるソロ、熱いカンタービレを備えたスケール雄大なオーケストラによる、堂々とした風格を持つ協奏曲です。ソナタでは繊細さを極めた底力のある美しい弱音が魅力。



ライブ盤ならではの緊張感にスケールの大きいソロとシンフォニックなオケ。近年のブラームスのヴァイオリン協奏曲では、もっとも気に入ったものです。少なくとも、わたしには、あまりに型にはまった感のあるレーピン盤よりも上です。ヴェンゲーロフは、さらに年輪を重ねて、オイストラフみたいな懐の深さが出てくれば満点なのですが、身体を故障されてソロ活動をお辞めになったそうで、気の毒でなりません。バレンボイムは自身がソロ奏者だけに、オケの伴奏も心得たものです。



すばらしいブラームスでした。ヴェンゲーロフのヴァイオリンは力強く、それでいて美しい。協奏曲ではその魅力を十二分にいかして、大いなる感動へと導いてくれた。ソナタはバレンボイムのピアノが実にいい。時には寄り添い、またある時はぶつかり合い、両者の躍動に興奮さえ覚えた。オイストラフとは音色が異質であるが、どこか似た魅力があり、これからがますます楽しみだ。このCDはカップリングもいいし、ブラームス好きにはお薦めですよ。



ブラームスのヴァイオリン・ソナタは３曲ありますが、どれも甲乙つけがたい。第３番を改めて聴くと凄く良い曲だなと思います。第１楽章は切ないようななんともいえない美メロな曲なので聴いていてぐっと来る。第3番だけでなく。3曲揃って録音して欲しいところ。



輸入盤、盤面傷無し　8

プラケースすれあり 　



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