実家の納屋に永らく保管されていました


通い徳利とは……
　酒を日常的に飲むようになった江戸時代から、酒屋の貸し出し容器として普及しました。口が小さく胴がふくらんだ容器で、酒・醤油・酢などの液体の貯蔵や運搬に使われました。中でも、酒屋が小売り用容器として貸し出した陶磁製のものをいい、
江戸時代中期から一般的になりました。
一升（約1.8L）入りがもっとも多く利用されました。造り酒屋から出荷された酒が、問屋を通じて各酒屋に送られ、それを各人がこの通い徳利を持って買いに行くという仕組みです。器体には、貸し出し主である酒屋の屋号・地名・商標などが書かれています。
通い徳利は、主に東日本では美濃高田焼が、西日本では立杭焼(たちくいやき)、有田焼が流布していました。
　灰色がかった白色やクリーム色で、太く短い首と筒型の胴部をしたものが美濃高田窯の高田徳利です。この地の粘土は良質で、掘り出してすぐ練って成形することができるため、価格を抑えての商品化が可能でした。しかし関東大震災を境にガラス瓶に取って代わられ姿を消してしまいます。




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