カラーブックス346「小皿豆皿」
三好一　著
昭和50年　初版　絶版
サイズ　文庫サイズ

小さな小さな芸術品が並んだ一冊『小皿豆皿』。
おうちで寿司や刺身を食べる時、醤油を受ける小皿を使っている方は多いと思います。

また、おひたしやお新香など、ちょっとした付け合わせを出す時に、小皿や豆皿は大変便利な食器です。最近は100円ショップで安く簡単に手に入りますが、それだけでは模様も単調だし形も同じようなものばかりでちと物足りない…。

そんな方にお届けするのが、『小皿豆皿』です。著者は、大阪読売広告社に勤務（当時）していた三好一氏は「はじめに」で以下のように語っております。

「私の育った京都では、小皿のことを祖母がよく「おてしょう」と呼んでいたのを記憶しています。普通、小皿の大きさは成人の手掌をはみでぬくらいの五寸皿以下のものを指すようです。

しかし江戸時代の箱入小皿によく書かれている名称は「手塩皿」で、なかには「香物皿」と書かれたものもあります。これは江戸時代に、手塩皿が本膳の香物入れに使用されていたからでしょう。」

たしかに、今でも定食や懐石などを食べると、料理の端っこに小皿入りのお新香が置いてあります。お新香を全部食べ終わったあとに見える皿の絵柄が面白かったり、センスがあるものだったりすると何だか嬉しくなります。

個人的には「ひょうたん」を描いたもの、形をしたものが好みで、そんな皿があったら家に一皿欲しいなと思ってしまいます。

今回ご紹介するカラーブックスは、焼き物の産地別に名作を紹介している他、絵柄別、絵付けの手法別に分けて細かく解説。モノクロページでは「小皿あれこれ」と題して、お猪口（ちょこ）や刺身皿についての考察も掲載されています。

まさに、この一冊で小皿豆皿の歴史から種類まですべて分かってしまうというお得な一冊であります。

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