〈解説文は全て独自で書いております。無断使用はご遠慮下さい。〉
★昭和61年（1978年）第一刷発行。紙カバー付き
★カバー＝背ヤケ、背の天地にヨレ傷小破れ有り。
　　　　　表面に保管上のスレ傷汚れ、カラーハゲ
　　　　　有り。全体に傷んでいます。
★本体＝扉ページ上端に微細な角折れ跡有り。三方
　　　　に経年ヤケ、少シミ汚れ有り。

★★上記以外は、本文中目立つシミ汚れ等無く、製本は堅牢で、通読に支障は御座いません。カバーの傷みが気になる方はお避け下さい。★★

　わたりむつこ氏と、挿絵の本庄ひさ子氏のこれ以上無しと思われるコンビによって、この素晴らしい本が出来上がっております。

　挿絵、表紙装画が本庄氏で無ければ、これ程多くの方の心を捉えることは無かったのではと感じる程です。小人たちの愛らしさ、部屋の中の可愛すぎる様子、（メアリー・ノートンの借り暮らしの小人達シリーズの挿絵も素晴らしいですが）絵だけでもじっくり楽しめる一冊です。

　ただ、ノートンの小人達があくまで人間を縮小化した、生き抜いて行く事が主眼のリアリスティックな内容に比べて、此方は魔法有り、羊人などの妖魔、動物が擬人化されていたりと夢のある内容です。

　とは言え、本作のテーマが、作者の第二次大戦の経験による反戦の志が込められたものである事は、言わずもがなです。

　現代の子供達にも、夢と希望の大切さ、戦争の過去を忘れずに、平和を尊ぶ気持ちが自然に芽生える内容ではと感じます。

　また、小人達の食べ物の美味しそうなこと！胡桃パン、きなこ汁、豆スープ、美味しいものの描写まで可愛らしい！

　これがまた、続編の「ゆらぎの詩の物語」になると、海産物バージョンになって、ワカメ煎餅とか出てくるのですよ！直ぐにパン屋さんに寄りたくなるような、ホカホカの胡桃パン（イメージではドイツ風の黒パンに胡桃が入っている感じ。）食べてみたいですね。

　小人達は、戦争でほぼ全滅してしまった為、仲間を探しに探索の旅に出ます。切実なテーマです。

　愛蔵版も良いですが、持ち運び可能な文庫版もお勧めです。

　長期個人保管の大変古い本です。状態は、上記★書きと、画像よりご判断下さい。

　古い本にご理解のある方との、嬉しいご縁を心よりお待ち致しております。