《古書》料理こつ控
國分綾子著

昭和45年初版発行
ミセス編集部刊
定価（当時）700円
18.7×24cm 153ページ

うまいものは、名人だけが作れて、素人はできないか、というと、そんなことはけっしてない。材料がよくて、その鮮度や質がうまく生きる条件がよく、料理してすぐに食べることができるというような条件がよければ、だれでもおいしいものができるはずである。
しかし、それがいつでも、どこでも、どんな場合でも、同じ味にできるか、ということになると、問題はむずかしくなってくる。
まず材料の仕入れの問題、材料の条件が違うものを、同じように仕上げなければならない問題、値段の問題、そんなところからもいろいろの苦心や手ぎわが必要になってくる。素人と玄人との違いがそこから出てくる。
〈中略〉
何度も苦労して、失敗して、とうとう会得したやり方、ちょっとした手かげん、順序など、それはまた長年かかって、さらに近道や抜け道も発見したに違いない。
それらを料理のコツとして、いっそう深い技術や食べ方を教わろうというので一年間回ったのが、この『こつ控』である。
料理の技術ばかりではない。こういうところにこういう味があった、長い年月それはこう守られて伝統の味をもちつづけたという紹介を〈中略〉
この本は、昭和四十三年一月から二か年にわたって『ミセス』誌上に同名の連載をしてきたものを、構想を新たに、ほとんど書きおろしの感じに書きなおしたものである。

［状態］なにぶん古書です。写真もモノクロです。目立った傷はないと思いますが、本文木口に褪色はあります。でも、本文はきれいに読めます。ご承知のうえご購入ください。

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