カバーがございません。書込みや線引きなし。

理想社、（初版1964年）1967年

原著：Oskar Becker (1889-1964), Von der Abenteuerlichkeit des Künstlers　（1929年および1958年の論文2篇からなる）。1963年の著者の哲学論文集に収録。

Beckerの存在を知るきっかけは山崎正和の「変身の美学」（『日本の名著第10巻 世阿弥』（中公、1969年）読んだことである。Beckerの用語Getragenheit（山崎の訳語では「被担性」64頁）が世阿弥の「離見の見」と交差すると山崎はいう。山崎によると、「離見の見」とは「＜決意＞し＜企て＞る実存的自由が、にもかかわらず絶対に及ばない限界のかなた」を遠望するものらしい。当時はまだ実存主義が思想界を席巻していたのか。

愚鈍な小生には残念ながら世阿弥を理解する上で"ユリイカ"とはいかなかった。

ちなみに久野 昭訳では45~46頁（添付画像後半3枚）がGetragenheit（担われていること）に言及している。