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概要：

石州流茶道怡渓会の伝書です。

大名の片桐石州によって始まり、大徳寺住持の怡渓宗悦によって形作られた石州流怡渓派は、越後国新発田藩十代藩主の溝口翠濤直諒によって奨励されました。

以降は新潟県の新発田地域を中心として全国にも石州流怡渓派の流儀が定着しており、数ある石州流の派の中で最大の人数を誇ります。



本書はその中でも昭和三十三年に新発田市で発行された石州流茶道怡渓会の伝書で、当時の師範者のみに頒布された非売品です。

前書きには『本書は、本会師範者の教授上、永く基幹をなすものとし、何人と雖も修正加除を許さず、一意専心斯道を修練し、益々研鑽精進せられん事を希ふ次第であります。』と当時の石州流怡渓会々長であった湖月庵瓢彦の言葉があり、現在でも怡渓派の第一の基本書とされています。



内容：

基本書として内容が充実しており、薄茶・濃茶・初炭・後炭といった基本の点前から、長板・棚物・扱い物といった特殊点前、風炉灰形・水屋飾りといった水屋仕事まで、流儀の基礎が余すところなく収録されています。

加えて茶道や流儀の系図、平常の心掛、伝授の順、諸具寸法、炭寸法といった資料も記載されています。



特殊点前が特に充実しており、長板は風炉が乱れを加えて七種の六段、炉が三段、棚物は代表的なものが七種、扱い物は茶碗・茶入・水指・蓋置・建水の各種に加えて、馬盥・大蓋・手燭の扱いも収録されています。

絞り茶巾や重ね茶碗、中風炉や直点といった実用的な点前や、一般的な出炉に加えて台目・向切・炭炉とその逆勝手についても解説されています。



また「風炉七斜の事」は灰形の秘伝とされていて、裏千家や大日本茶道学会の書籍でもたびたび引用される文章です。



状態：

中古品ですので経年の劣化があり、小口や天、本文にも少し染みがあります。

画像でお示ししますので、詳細をご確認下さい。本文に書き込みはなく、紙面の状態は良好です。

中古品ですので、状態を十分ご確認いただきました上でのご入札をお願い申し上げます。



おすすめの商品ですので、ご検討をお願い申し上げます。