「旅だから出逢えた言葉」
伊集院 静

#伊集院静 #伊集院_静 #本 #日本文学／評論・随筆

1
なぜならパリは移動祝祭日だからだ
あなたはかならずこのアフリカに戻ってくるでしょう。なぜならあなたはアフリカの手に抱かれたから・・・
人が実際、その目で見たものに真実はありますから
もう一度授業をやりましょう。お互いが生徒に戻って・・・
この国の人々は今まで発見された民の中で最高であり、異教徒で日本人より優れている人々は見つけられないでしょう。
人はささやかなもので救われる
ケル・ぺ・ランス・チェ
この言葉は私たちの身体の一部ですから
ここに地は終わり、海はじまる

2
すぐに役に立つものはすぐに役に立たなくなる
あなたと家族に神の御加護があるように
ささやかな契約をしているのだと思います
ソウイウモノニ　ワタシハナリタイ
でも、どんな時も、そばにいてくださいます
文章というものは、そういうものを得るために書くものではないそうだよ
ゆっくり、ていねいに書くんだぞ
自分を信じることだ。信じる者は強い

3
ボクがプレーできている限り、それが平和の証だと信じています
その美しい洗濯物を見て、息子を預かっていただこうと決心しました
もし、幸福も不幸も、あなたを惑わすこととして、等しく受け入れることができるなら・・・
世の中には金にかえられないものがある。それは愛の思い出だ
ときには嵐のような逆風が、人を強くする
自分の子供のようにやさしく、そして厳しく接することだ
故郷は帰る場所ですから

4
この色使いには他の若者にはない何かがあります
この児は・・・天使だよね。揺籠にたくさんレースなどかけてはいけませんよ
ようこそ、ミュージアムへ
幼い子供の視線で見つめること、それがもっとも大切なことです
この木は自由の象徴です
わたしの魂の中の国、これだけがわたしのものだ
きっともう一度訪ねねばならない
風が吹いてくる方よりも、風が向かってゆく方が・・・
大切なものをひとつだけ持って行きましょう

初版になります

旅を通じて出会った言葉を綴ったエッセイ集。

- タイトル: 旅だから出逢えた言葉
- 著者: 伊集院静
- 出版社: 小学館

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