廃盤名盤ハイブリッドSACD
盤面状態良好です。
ストラヴィンスキーのオペラ、エディプス王（オイディプス王）の録音です。
合唱、及び打楽器の迫力凄まじく、よく録音したなと思います。本曲に対するゲルギエフの並々ならぬ想いが伝わります。
また、有名なブーレーズ評のせいか、春の祭典以降のストラヴィンスキーの作曲技法の進歩はやや無視されるきらいがあるように思えますが、20世紀前半でこの域に達しているのだからやはり大作曲家で本作は傑作です。

名優ドパルデューとの夢の競演。合唱も凄い、打楽器も凄い、ゲルギエフはもっと凄い。ストラヴィンスキーの生命力が激しく伝わってくる快演。
『エディプス王』は新古典主義的作風時代の1927年の作で、ソフォクレスの原作に基づくジャン・コクトーの台本、声楽はラテン語、語り手はフランス語により、エディプス王の悲劇が描かれます。物凄い迫力の合唱に圧倒されますが、悲劇とはいえ、人を小馬鹿にしたようなストラヴィンスキー一流の音楽にも事欠かず、楽しめます。語り手をフランスの名優ジェラール・ドパルデューが迫真の演技で務めているのも豪華の極みです。
４台のピアノが凄まじい打楽器的効果を生み出す『結婚』も聴きもの。オーディオ効果も満点の曲ですが、ゲルギエフならではの計算されつくした絶妙なバランスで原始的な音世界を作り上げています。今日ゲルギエフほどストラヴィンスキーの生命力を表せる指揮者はなく、まさに生の歓びを実感させてくれます。
・『エディプス王』
エディプス王：セルゲイ・セミシクル（テノール）
妻イオカステ：エカテリーナ・セメンチュク（メゾ・ソプラノ）
クレオン、使者：エフゲニー・ニキーチン（バス・バリトン）
ティレシアス：ミハーリ・ペトレンコ（バス）
ジェラール・ドパルデュー（語り手）

・『結婚』
ムラーダ・フドレイ（ソプラノ
オルガ・サヴォワ（メゾ・ソプラノ）
アレクサンドル・ティムチェンコ（テノール）
アンドレイ・セロフ（バス）
アレクサンドル・モギレフスキー、スヴェトラーナ・スモリナ、
ユリア・ザイチキナ、マクシム・モギレフスキー（ピアノ）

マリインスキー劇場管弦楽団＆合唱団
ワレリー・ゲルギエフ（指揮）

録音時期：2009-2010年（エディプス王）、2009年（結婚）
録音場所形式：マリインスキー劇場コンサート・ホール DSD