筆者は精神病院のデイケアで長年俳句療法に携わり、俳句の持つ治療的効果を十分に認識している。優れた芸術療法と言うべきものであるが、管見の限り、俳句療法を導入している医療機関は非常に少ない。こうした現状を残念に思い、本書を執筆した。理論を少なくし、実際の運営方法と、俳句の分析方法を中心に述べ、実用的知識に力を入れた。本書で述べるのは精神科デイケアにおける俳句会の方法論や効果であるが、精神科病棟、老人ホーム、知的障碍者更生施設等でも応用は可能である。



■平山崇（ひらやまたかし）・札幌太田病院一階デイケア中国語非常勤講師 北海学園大学人文学部日本文化学科卒業、北海道医療大学看護福祉学部臨床心理学科卒業、蘇州大学日本言語文学専攻修士課程修了。認定心理士。日本語教育能力検定試験合格。札幌太田病院勤務を経て、中国で十年間日本語教育に従事。代表句「繁華街孤高の月の遥か下」 ■尾崎君子（おざききみこ）・札幌太田病院一階デイケア看護師 西国立療養所付属高等看護学校卒業、北海学園大学人文学部日本文化学科卒業。看護師。内科、耳鼻科、産婦人科等を経て、現職。看護師歴三十五年。代表句「星月夜消えて生まれる恋ひとつ」

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