自宅蔵書ですのでそれなりに経年劣化しているものの、比較的良好な状態で、読むのには差し支えありません。ご了承いただけるかた宜しくお願い致します。



アナザーフェイス　

警視庁捜査一課の刑事・大友鉄は妻を亡くし一人息子を育てる為に現場を退き総務課職員として雑用をこなす日々。しかし彼の才能を高く評価する上司が、彼の本格的な現場復帰を願いつつ、誘拐事件の捜査に加わるようにと要請が出されます。誘拐されたのは銀行員・内海貴義の6歳の息子で、犯人は内海が勤めている銀行に、一億円の身代金を要求します。身代金の受け渡し場所は人気グループZiがコンサートを開く東京ドーム。ファンでごった返す会場で身代金は持ち去られ、人質の少年は無事に解放されます。大友は被害者家族の担当になり、家族の信頼を得て少年に少しずつ事情聴取を行います。実はこの事件は単なる営利誘拐ではなくて。



愚者の連鎖

大友が受けた命令は窃盗事件で現行犯逮捕した容疑者の口を割らせること。大友は、容疑者周辺の聞き込みを再度行い、若居が進学校を中退したこと、有望だったサッカーへの道をあきらめたこと、10年にわたって地元のワルとツルんでいたこと、そして看護師である彼女と付き合っていることを調べ上げこれらをネタに完全黙秘男・若居の心を揺さぶります。するとただの窃盗事件から死体遺棄事件へと繋がり、その影で暗躍する犯罪グループが浮かび上がって事件は複雑な様相へ広がります。更にはて警察内の不正・裏切りも仄めかされます。とにかく２転３転するたびに大きく犯罪が展開していき一気読みです。



潜る女

　結婚詐欺の操作をする二課からおとり捜査の依頼を受ける大友。イ結婚詐欺グループの一味と思われる美智留に接近し、しっぽをつかむことを期待されています。そんな中同期の刑事の敦美は浮かない様子です。その理由も伏線となっており、事件は急展開、詐欺グループのメンバーが続けて2人殺されるのでした。ここに至って捜査一課も前面に出てきて、当の美智留容疑者は事件に絡んでくるのですが、事件は意外な方向に急展開します。



闇の叫び

中学校の父兄もに対する連続通り魔事件で、ついに死者が出ます。大友捜査に加わるのですが、容疑者は二転三転。後半にやっと本ボシの学校教師に辿りつくのですが、その動機がはっきりしません。父子の親子関係を描いたシリーズとして、上々の大団円です。