シラーの戯曲「オルレアンの少女」をもとにした、一般にはジャンヌ・ダルクとして知られる少女の物語、ヴェルディ 7作目の歌劇です。作曲された当時はイタリア独立運動に呼応して一般の支持も高く、愛国的なオペラを望む時代の要請に応えた形でしょうか。

ジャンヌ・ダルクといえば余りにも有名ですが、15世紀のフランスとイギリスのいわゆる百年戦争で、神の啓示を受けてフランス軍陣営に武装して駆けつけ、フランスを勝利に導いた少女です。ただ史実では火炙りで亡くなったジャンヌですが、このオペラでは勇ましく戦って戦死する、あるいは国王カルロ7世がジャンヌに想いを寄せているなど、かなりの改編がなされています。

愛国的なオペラだけに初演当時はたいへん人気があったものの、ヴェルディがその後あまりに傑作を発表し続けたためか、今ではそれほど上演機会もなく、ウェルディらしい魅力が詰まった作品なのにとそこは残念に思います。　
初演したミラノ・スカラ座でも、1865年を最後に長く再演されることがなく、150年も経つ2015年になってようやく舞台にかけています（因みに初演は1845年）長く放置されていたのが駄作だからかと言えばそうではありません。
たまたま今読んでいる香原斗志さんという方の本でも、このオペラを初めてみて、これほど完成度が高いとは知らなかった、全体として緊密にドラマが構築され、その中で声の競演が味わえると絶賛しておられます（『イタリア・オペラを疑え！』より）

主役のブルガリア出身のソプラノ、ヴァシレヴァは容姿も声も素晴らしく、大御所レナート・ブルゾンの低音はよく響きます。イタリア・オペラ界の長老バルトレッティの指揮は筋金入り、演出は正攻法で、文句のつけようのない傑出した映像だと思います。事実、出回るのがレアなコレクター商品として珍重されているようです。

ヴェルディ の通常レパートリーに飽き足らない方、是非いかがでしょうか。なお、一度人手に渡ったものゆえ「目立った傷や汚れなし」としていますが、盤面は新品同様かと思います。こちらはブルーレイであることにご注意下さい。
他にもオペラのdvdを出品しています、どうぞよろしくお願い致します。

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