「貧しさから這い上がるには、殺ししかなかった。圧倒的リアリティで人間の宿命を描き切る水上文学の金字塔。」



『飢餓海峡』は、1962年1月から1962年12月まで週刊朝日に連載されたものの完結にはならず、その後、加筆し1963年に朝日新聞社にて刊行した。その後、文庫版では新潮文庫で刊行している。2005年には単行本として河出書房新社にて刊行、上編・下編構成になっている。

実際に同じ日に起きた洞爺丸事故と北海道の岩内大火をヒントに、時代を敗戦直後に置き換えて着想された。水上勉の代表作の一つで、推理作家から社会派の作家へと移行する時期の作品。戦後の貧困に喘ぐ時期を生きることになった多くの日本人の悲哀が、主たる登場人物に投影されている。『ウィキペディア（Wikipedia）』



1965年に映画、また1968年・1978年・1988年にテレビドラマ、1972年・1990年・2007年に舞台が制作された。



朝日新聞社・昭和３８年（１９６３年）９月初版発行の水上勉「飢餓海峡」です。装幀は永田力です。紙質と経年によるヤケがありますが、シミや書き込み、蔵書印などもありません。本作品は朝日新聞社からの元版発行から１５年後の昭和５３年８月に第２版が発行され、平成１７年（２００５年）には河出書房新社から上下に分冊されて発行されています。本出品本はその元初版本です。６０年前の古書であることをご理解の上、購入の検討をお願いいたします。



※水上勉の以下の作品も出品しています。

越前竹人形

越前竹人形（DVD　若尾文子主演）

雨散（あられ）

女の森で

虚竹の笛　

故郷

五番町夕霧楼

猿おがぜ

しあわせの心の架け橋

説教節を読む　

壷坂幻想　

鳥たちの夜（上下）

泥の花　初版

棺の花

わが草木記　

棺の花

銀の川

黒い穽　

黒壁

木綿恋い記

良寛・正三・白隠