私は、社会人になった22歳から80歳の今まで、＃郷土玩具　の素朴な魅力に惹かれて来ました。＃齋藤良輔 編の名著　「　＃郷土玩具辞典 」を道しるべに、全国の玩具を収集して、毎日毎日、大勢の人形たちと語り合い、とてもとても楽しい人生でした。
その私も80歳、人生整理の断捨離の一環として、ファンの皆さんに、お譲りすることにいたしました。
大勢の人形たちの中から随時、「郷土玩具シリーズ」としてご紹介させていただきます。
シリーズ29は、大分県竹田の姫だるまです。このだるまは、全国の姫だるまの中で、圧倒的な存在感を誇る銘品です。その表情の際立った美しさと気品には、他の追随を許さないものがあります。
ただ、残念ながら、熟達の人形師が描いた気品ある表情は、人形師の代が変わるにしたがって変化していき、名工作の気品ある表情を人形にみることはできなくなるという運命にあります。
この神さまの悪戯は、竹田の姫だるまにもなされております。私が50年前に出会った、先々代の作のだるまの表情は、下賤な世界を超越した、得度した澄み切った気品ある眼差しをもっていますが、
その娘さんの代になりますと、色気が出て笑っている感がありますが、顔を隠して目だけを出しますと、泣いているかに見えます。
そして3つ目の写真・現在販売されているだるまは、どれも色気ぷんぷんで、先々代のだるまの得度の表情とは隔世の感があります。
先々代とその娘さんのだるまは、いまはもう手にできないとても貴重なものですが、大方50年前後の年代が経っていますので、塗りがかなりの部分において剥げてきています。いまはまだ、塗りが剥げていても、表情の魅力は十分感じることができます。
いずれ年限が経っていけば、その表情も見れなくなるとは思いますので、大切に大切にに保管していただける方に、2体を10000円でお譲りいたします。

先々代作品：高さ15センチ、横幅10センチ、奥行10センチ
娘さん作品：高さ39センチ、横幅35センチ、奥行24センチ

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