1987年 240ｐ

エッセイ
書道を志す人々へ
青山杉雨
最近は書を習う人が非常に増えているよう で大変結構なことだと思いますが、それでは どういう目的で習ってみようと志を立てたの かと想像してみますと、人それぞれに若干と も目的は異なるようです。大別すると概ね次 のようになるようです。
まず一番多いのは、自分は字が下手だから 習って上手になろうとする人達でしょう。 は趣味的に自分のもっている美なる意識を、 書によって生かしてみようとする人達です。 目的がそれぞれに異っていても筆に墨をつけ て紙に書く点では同じです。
筆のような操作しにくい道具で書くのです から、自らそれには方法があります。この方 法は色々ありますが、常識的には昔からの伝 統を守ったやり方を学ぶのは一番無難である と言っていいでしょう。事実、今日方々で書 道を教えているほとんどの先生達はこの方法 に準拠しています。 従って、この伝統的な基 礎は十分身につけておくことは肝要です。

表紙小傷、小汚れ。ページ小黄ばみ。もちろん読む分には問題ありません。

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