記憶をテーマにした、

“Caretaker”から、

「30-40s French Famers Jacket」
の身頃の裏地に使われてイタ、セミ・アンティークのシルク生地を使ったストールが到着↑


長い間、ウールシェルと前の持ち主との間で、
静かに湿気を逃がし、温もりを保ち、
服の生地と持ち主の体を守ってきた身頃裏地の美しいシルク生地。

ダーツの跡や、小穴や生地の痛み。
それわ、この生地が長い時間を沈黙の中でひっそりと生きてきた証デス。

そんな生地を次に繋げるために、
整形わ全く加えず、切り出した形そのままに、
斜めの生地を2枚 裏表で組み合わせ、
シルク糸を使い穴を塞ぎながら刺し子を施しました。

退廃的な襤褸の雰囲気だけでなく、
肌触りもとても気持ちいい総シルクのストールです。


サイズ：94cm×27cm
※水通し済み


175cm 70kgのガッシリ体型の成人男性が首に巻き、2回結んだ結び目から12cmほど先が出る長さ。

着用すると、
30cm近い横幅とシルクの光沢が愛まわり、
ヴォリュームあるエレガントな印象です。

光沢あり・なしの裏表の生地の組み合わせがバイカラーのように映り、
シルク糸の刺し子とともに光に当たると、
とても趣のある表情。

フレンチワークやアルチザンをはじめ、イッセイミヤケ、マルタン・マルジェラがお好きな方にもお勧めデス↑

この生地を切り出したジャケットや、
その身頃の芯地をドッキングしたシャツ、
ヨウジヤマモトの刺し子がプリントされた作品と合わせたコーデを掲載しておりマス↑
ご参考までに。


たかが布、されど布。
沢山のお蚕様の命の糸を人が紡ぎ、
フランス農民のジャケットとして丁寧に仕立てられ、100年近い長い時を経て、ここニッポンの一隅へ。

こちらもまた、一針一針 糸を繰った長い手作業の時間。
それわ長く静かな、正に、ポイエーシスとでも云ふべき時間。

工業化とグローバリズムの末、
簡単に物が作られ溢れ、情け容赦なく捨てられる現代に於いて、

最も対極に位置する、近代まで厳然とあった、
物と人とをめぐる時間。

それらを感じてイタだけましたら幸いデス。

とても優しいストールです。