★F31★吉田民尚（よしだたみなお）油彩「房州の海」F6号

サイズ：31.6×40.9cm
裏面にサインあり
キャンパスのみ
一部分が欠け落ちています。
画像でご確認ください。
経年劣化による汚れなどあります。
首相官邸にも採用された作家です。

真作を保証いたしますので、万が一、贋作と鑑定された場合にはご返金いたします。

吉田民尚（よしだたみなお）
昭和3(1928) 9月30日 福岡県八女郡笠原村(現八女市黒木町)に生まれる
昭和23(1948) 福岡第一師範学校卒業
昭和24(1949) 第8回創元展に初入選
昭和29 (1954) 第10回日展に初入選
昭和32(1957) 第16回創元展で準会員賞を受賞
昭和41 (1966) 第9回新日展に「崖」を出品し、 特選を受ける

吉田民尚（よしだたみなお）は、断崖絶壁を主題とした作品で知られる現代画家です。その絵画は、自然の力強さと畏怖を見事に表現しており、観る者に圧倒的な存在感を与えます。彼の筆致は繊細でありながらもダイナミックで、画面の中に息づく壮大な地形の質感や気配をリアルに描き出しています。

吉田の作品において最も際立つのは、断崖の表現を通じて人間の存在の儚さや自然の圧倒的な力を強調している点です。例えば、彼の代表作とされる一連の断崖を描いたシリーズでは、荒々しい岩肌やその下に広がる深淵が克明に描かれています。その構図は大胆かつ緻密で、観る者を物理的にも精神的にも断崖の先端に立たせるような錯覚を引き起こします。背景に配置された空の色調や光の変化も巧妙で、自然の変化を詩的に捉えています。

また、吉田は単なる写実に留まらず、断崖というテーマに哲学的な意味を込めています。彼の作品には、「境界」というテーマが頻繁に登場します。断崖は、陸地と空、安定と危険、生と死の境界を象徴しており、その存在自体が問いを投げかけるように感じられます。観る者は、その境界に立たされることで、自らの立ち位置や価値観を見つめ直す機会を与えられるのです。

吉田の作品は、単に風景を描写するだけでなく、観る者に深い感情や思索を呼び起こします。断崖絶壁という一見限定的なテーマを通じて、彼は普遍的な人間性や自然との関係を問い続けています。その独創性と表現力は、現代アートの中でも際立つ存在感を放っており、今後のさらなる進化が期待されます。