ARABIA社の「ARA部門」で作られていた希少なボウルです。

1936年～1950年までARABIA社に存在した「ARA部門」。

当時アラビアの芸術監督として所属していた、クルト・エクホルムを中心に、それまで一般家庭には取り入れにくかった高級感のある装飾品のイメージを変え、温かみのあるハンドペイントの花器や鉢、ジャグなどを作っていた部門です。

赤土に手描きで様々な花の装飾が施され、花や装飾をモチーフにした装飾には名前が付けられず、画家たちはしばしばオブジェの底にイニシャルでサインを入れました。

この部門の存在により、装飾を施されたシリーズが一般家庭の中にも取り入れやすくなりました。
1946年には、カイフランクも、このARA部門に籍を置き、いくつかのシリーズを残しています。

ハンドペイントで施された美しい装飾と、透けるような釉薬、そして縁の真ん中が少し内側にカーブしており、凝ったデザインとなっています。

こちらはバックスタンプから1960年以降の作品となりますが、当時のアラビア社では、部門が閉鎖されても材料が残っていると継続して作成される事が多かったようです。
そのため以前には無い、裏面にも釉薬、デザインが施され、他の作品と比べ豪華でレアなものとなっています。

光にかざすとカトラリー痕と、製造過程においてできた薄青い着色、赤土のためか、黒点が多数あります。
当時の製造技術によるものとお考えください。
なかなか日本には入ってこないシリーズです。

サイズ　幅16.4〜17cm×16.4〜17cm 高さ5cm

Arabia
Ara
アラ