今から400年前、臥牛窯は開窯から約一世紀後、元禄四年（１６９１年）に諌早藩（現在の長崎市）に彗星のように現れ、その類い稀な表現力と存在感で世の中をあっと言わせた「現川焼」を製造しました。

しかし多くの謎を残しつつ半世紀ほどで輝きの奇跡を残して、この世から忽然と消失してしまいます。

残された一握りの品は幻の銘陶となり後世への伝説となりました。その幻となった秘法を求めて二百年以上もの間、人々は幾多の挑戦を重ねてきましたが、誰の夢も叶わず、それは決して再現できませんでした。
この秘法の謎を解き明かし現代に蘇らせたのが１２代　横石臥牛（先先代）であり、再現を完全なものに仕上げたのが１３代　横石臥牛兄弟（先代）です。

繊細な刷毛目や立体的な盛り上げ技法には、生の濡れた状態の素地への加飾が不可欠で、一般的な磁器の五倍はかかるこの秘術が空間表現や立体表現を可能にする現川焼の最大の秘密です。
その現川焼再興の技法をもって、長崎県無形文化財の銘にあずかっています。

本作品は横石臥牛の緑釉木の葉 正角銘々皿3客となります。銘から見て13代か14代のものになります。

ちなみに木の葉のお皿は重要文化財に指定されている木葉天目が有名です。見込に木の葉を置いて焼き上げた木葉天目は安宅コレクションで所有されています。参考写真を添付しておきます。

金襴手のような派手さはありませんが、土の優しい色、木の葉が押されたどこか風流あるわびさびを感じるお皿です。
そして、緑釉の良い発色を出した釉薬がまた雰囲気を柔らかくしています。緑釉とは何だと疑問に思われる方も少なくないかと思います。
これは、釉薬に含まれる酸化銅により、焼成する際緑色になります。高火度焼成、低火度焼成の両方の釉薬があり、主に酸化焼成で緑色になります。高火度焼成の場合、織部焼等では還元焼成も行われていました。

なにより良いのは、葉脈がわかるほど木の葉の特徴がくっきりでていることです。
しっかり焼かれているのが触れてわかります。

サイズは写真の通りです。
よろしくお願い致します。

※現川焼がないので有田焼に設定、三川内焼と分類されるので三川内焼としています。

素材···陶磁器/焼物

ブランド···伊万里焼・有田焼

ブランド···三川内焼

形···角皿

アイテム 種類···取皿