春秋戦国時代の群雄の一つ、趙の首都・邯鄲古城の趙王宮殿の軒丸瓦です。

邯鄲古城は趙の王都で、紀元前386年に造営され、その後秦に征服され、反乱軍の拠点となったところを章邯が攻め落とし破壊の限りを尽くし廃墟となってしまいました。
その遺跡から出土したものです。
写真8枚目はその発掘資料の一部を引用させていただいております。

花のような四菱の幾何学紋を中心として三体の馬が駆け巡るような像容で表されています。
これは建国の際の盟主であったは周を取り囲むにして魏・韓・趙の三晋に分かれ、後の世に続くまでの威容と忠誠を誓ったとも、または遊牧民の騎射技術を軍政に取り入れて強国となした武霊王の強い要望により精強な騎馬軍団を作り上げたことによる権力の誇示だとも言われています。

262g、約12.6mm。
当時の瓦の特徴として現代のものに比べて不純物が多く、焼き上げた際の気泡がいくつか見られますがこれは当時からのものです。
瓦の素材として邯鄲を流れる海河沿川の白土が使われています。
古代の発掘品であるため出土した際の土が付着しています。

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