①「江戸の瓦版 庶民を熱狂させたメディアの正体」
森田 健司
定価: ¥1,100（税込）
（私の感想）
●瓦版の歴史を通して、学校では教えられない異色の江戸庶民文化史。
●時代劇ではお馴染みの瓦版ですが、非合法出版物とは知りませんでした。したがって、売り子も顔を隠して売り捌いていたとのこと。そしてネタ元は何と飛脚。走る情報屋だったようです。
●江戸末期の代表的なネタは、黒船来航、敵討もの、心中もの、安政江戸地震、火事、鳥羽伏見の戦い等々。毎日を懸命に生きていた庶民にとって、瓦版は欠かすことのできない娯楽だったとのこと。大変勉強になりました。

②「明治維新という幻想 暴虐の限りを尽くした新政府軍の実像」
森田 健司
定価: ￥1,045（税込）
（私の感想）
●「薩長史観」の呪縛を解くべく、庶民の視点、旧幕府の視点、明治政府のイメージ戦略、維新三傑の実像等を通して、明治維新の「真実」を追及。
●「平和国家」を作った江戸幕府と「好戦国家」を作った明治政府。どちらが優れているかは火を見るより明らかですが、手放しで礼賛する司馬遼太郎に代表されるように、明治政府のイメージ戦略に未だ縛られていると思います。
●勝者の視点だけに依らず、客観的な公平な視点での歴史研究が進むことを期待したい内容でした。個人的には学生の頃の「廃仏毀釈」の違和感の正体が分かりスッキリしました。

③西郷隆盛の幻影 維新の英雄はいかにして作られたか」
森田 健司
定価: ￥ 1,078（税込）
（私の感想）
●西郷の評伝ではありません。「西郷英雄神話」の成立過程を様々な史料を基に追い、実像とのギャップを示した本です。
●西郷は、郷中教育により一種独特な人格（人を明確に敵と味方に分ける癖）が形成されたとし、「敬天愛人」の真の意味や、久光への異常な敵愾心についても納得の説明でした。
●一般に流布している西郷像とは異なる狭量な西郷像に、リアリティを感じました。従来の西郷像に違和感を覚え、疑問に思う方にお勧めの本です。

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綺麗に読んでいますので、目立った汚れ等はありませんが、中古品ですので、その点理解いただける方にお譲りします。家族に喫煙者はいません。ペットも飼っていません。