新潮 2024年3月号
定価 ¥ 1,200円
◆黒川創「この星のソウル」260枚
列強帝国主義に国が引き裂かれる中、高宗らラストエンペラーはいかに強かに抵抗したか。
京城＝ソウルの歴史の激動を未来へ届ける。
◆佐伯一麦「遠野郷」（連作完結）
柳田國男に導かれて、東北の魂が宿る山の奥へ入る。
生と死を分かつ境界を見詰めながら。
◆円城塔「宣長の仮想都市」
それは、江戸時代に見た夢だーー。
デジタルデータと情報処理、メタバースと宣長の野望。
◆黒田夏子「さいころのうちそと」
部屋が形づくる立方体の空白。
数千日の時間がそこには流れ、小箱からの曲が踊りを誘う。
◆藤野可織「スイスへ（２）.docx」（連作完結）
自らの安楽死を想像し、まな子は小説を書き続ける
ーー六年がかりの力作、ついに完結！
◆特集　安部公房生誕百年ーー特別に特別な作品宇宙「私と安部公房」　円城塔　小山田浩子　島田雅彦　平野啓一郎　福永信　星野智幸
「現代写真家の特異点、安部公房」（一部未発表作品）　選・解説・近藤一弥
◆特別対談　町田康+小山田浩子「世界の「変」を見たまま書く」
◆特別対談　山﨑努+山下澄人「演技と小説が交わるところ」
◆リレーコラム　街の気分と思考　新執筆陣　村田沙耶香／伊藤亜紗
◆私の書棚の現在地　新書評委員　山下澄人／九段理江